はじめに
准看護師として働く皆さんにとって、これ以上ない朗報が飛び込んできました。
これまで「7年以上」必要だった通信制看護師養成所への入学要件(実務経験)が、2026年(令和8年)4月の入学生から「5年以上」に短縮されることになりました。
「あと2年待たないと受験できない…」と諦めていた方も、来春からチャンスが掴めるかもしれません。
しかし、5年に短縮されたことでデメリットもあります。
今回は、厚生労働省の検討会資料をもとに、この変更の根拠や、通信制に進む現役准看護師のリアルなデータについて解説します。
1. なぜ「5年」に短縮されたのか?(国のデータより)
これまで実務経験が「10年」から「7年」になり、今回ついに「5年」になります。 「経験年数が減って、技術力は大丈夫なの?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、国(厚生労働省)の調査で**「問題ない」という明確なデータ**が出ています。
厚生労働省の資料によると、以下のことが分かっています。
- 技術力に差はない: 実務経験「5年以上7年未満」の人と、「7年以上10年未満」の人を比べたところ、看護技術71項目のすべてにおいて習得状況に差は見られなかったという結果が出ています 。
- 現場の声: 看護管理者への調査でも、「准看護師は概ね半年から5年で実技能力を習得する」とされており、5年の経験があれば基礎は十分できていると評価されています 。
つまり、**「5年現場で頑張ったあなたには、すでに看護師になるための基礎力がある」**と国が認めたということです。
2. 「私でもできる?」を解消する通信制のリアル
通信制進学を迷う理由の多くは「年齢」や「仕事との両立」です。しかし、実際に通っている学生のデータを見ると、その不安は解消されるはずです。
① 学生の半数は40代です
「今から学校なんて遅いかも…」と思っていませんか? 実は、入学時の年齢で最も多いのは**40代(約48.5%)**です 。次いで30代(31.3%)、50代(16.0%)と続きます 。 20代の学生はわずか3.5%であり、通信制は大人が学ぶ場所と言えます 。
コンソメ30代で子育てしながら学校に来ている人も全然いますし、中学生くらいになって手がかからなくなった40代からの人も多くいましたよ!
② 9割以上が「フルタイム」で働いています
入学後の就労状況を見ると、**95.3%**の学生が働きながら学んでいます 。 さらにその内訳を見ると、**92.9%が「正規職員(常勤)」**です 。 「パートにならないと無理かな」と考える必要はありません。ほとんどの人が常勤のまま資格取得を目指しています。



とはいえ、入学してからフルタイムからパートや派遣に切り替えた人も僕の同期でいました。迷っているかたは一度入学して、フルタイムがやっぱり大変そうとなればそれから切り替えてもいいと思います。
③ 学歴の壁も関係なし
最終学歴のデータを見ると、約7割(68.5%)が「高等学校卒」、約16%が「中学校卒」です 。 大卒や短大卒でなくても、多くの人がこのルートで看護師免許を手にしています。
3. 教育の質は担保される?(カリキュラムの変更点)
実務経験が短くなる分、学校での学びは強化されています。 以前の制度改正の際、自宅学習だけでなく、学校に行って直接指導を受ける**「面接授業(スクーリング)」**の日数が拡充されました。
- 面接授業の日数: 以前の24日間から、現在は34日間(+10日間)に増えています 。
これにより、「見学実習」や「紙上事例演習」だけでは補いきれない部分を、先生から直接学ぶ機会が増え、より実践的な能力が身につくようになっています 。
4. 就業証明書の注意点
以前働いていた場所で、入学する学校の書式の就業証明書を渡して書いてもらう必要があります。
書式については学校によって違うので、行こうと思っている学校から資料を請求したり、学校のホームペーシからPDF形式で印刷できることもあるので、確認してみてください。
もし職場がなくなっていた場合、「被保険者記録照会回答票」が必要になることがあります。
社会保険事務所に年金手帳を持参して「厚生年金保険加入期間調査願」を提出することで、「被保険者記録照会回答票」を取得できます。



特に以前の職場に「就業証明書」を依頼する場合、時間がかかることもあります。 「実務経験5年」の対象になる方は、早めに前の職場に確認したり今の職場の師長に相談し、証明書の準備を始めましょう。
4. 5年に短縮された2つのデメリット
まず、准看護師の経験年数が10年のときと比較し、授業の日数が10日間増えています。
放送大学の取得科目も増えているのため、勉強時間の増加、さらには受講料が増えています。
対策としては、有給を多めに残しておく、欠勤になってもいいけど、その分貯金を多くしておくといったことをする必要があります。
もう一つは、定員を締めきる学校が増えています。
毎年、通信の看護学校は定員割れを起こしていました。そのため採算が取れない学校が潰れていき、通信の看護学校は減少傾向です。また募集人数を絞っている学校もあります。
そこに今回5年に短縮されたことで、定員となり締め切っている学校が増えています。
なので、早めに準備を行い、行けるタイミングで行くことをおすすめします。
まとめ:迷っているなら今がチャンス
今回の改正は、国が**「意欲ある准看護師に、もっと早く看護師になってほしい」**というメッセージを送っているとも言えます。



もっといえば、准看護師が廃止になって、看護師一本化に取り組もうとしている可能性も…?


- 実務経験5年でOK(技術力に差はないことが証明済)
- 40代・フルタイム勤務が当たり前
- スクーリングでしっかり学べる
この条件が揃った今、ステップアップを検討してみてはいかがでしょうか? まずは気になる学校の資料請求から始めてみましょう!
通信の看護学校は定員割れを起こしている学校がほとんどでしたが、今回5年に短縮されてから、募集を締め切っている学校が増えています。
みなさんにとってより良い選択ができること、このブログで情報を持ち帰ってもらえたら嬉しいです。






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