准看護師を目指そうとしたときに介護福祉士の資格も考えている人もいると思います。
准看護師と介護福祉士は、どちらも医療・介護分野で活躍する資格ですが、収入や待遇、仕事の内容、資格取得の難易度に違いがあります。
そのため今回は、これから進路を考えている方に向けて、准看護師と介護福祉士の違いを詳しく比較していきます。
1. 仕事内容の違い
項目 | 准看護師 | 介護福祉士 |
医療行為 | あり(採血、点滴、バイタル管理など) | なし(見守りや応急処置程度) |
介助業務 | あり(食事介助、排泄介助) | あり(移乗、入浴、食事など) |
記録業務 | あり(看護記録) | あり(介護記録) |
利用者との関わり | 医療メイン、関わり少なめ | 生活支援メイン、関わり多め |
准看護師の仕事内容
准看護師は、医師や正看護師の指示がなければ診療の補助はできませんが、実際の業務内容は正看護師と大きく変わりません。リーダー業務や新人教育を担当することは少ないものの、幅広い医療行為を行います。
主な業務として、バイタルサイン測定、採血、点滴、吸引などの基本的な処置に加え、医師の補助として中心静脈カテーテル(CV)の挿入や褥瘡処置、輸血などにも関わります。さらに、介護士と協力しておむつ交換や入浴介助を行うこともあります。
また、看護記録や看護サマリー(転院や施設入所時の要約書類)を作成し、相談員、作業療法士(OT)、理学療法士(PT)などの多職種と連携しながら、患者の退院支援も担当します。
介護福祉士の仕事内容
介護福祉士は、介護を中心に業務を行い、入浴、移乗、トイレ、食事介助などを担当します。また、レクリエーションの企画や、管理職になると介護士のシフト作成などの業務も行います。

時々レクリエーションの企画書をPCがで作成する際にPCが苦手な介護士さんの代わりにお手伝いすることもあります(ワイワイやりながらやるのでけっこう楽しいです笑)
2. 年収の比較
項目 | 准看護師 | 介護福祉士 |
---|---|---|
平均年収 | 約350万~450万円 | 約300万~400万円 |
月収 | 25万~35万円(夜勤あり) | 22万~30万円(夜勤あり) |
ボーナス | 3.5~4.5ヶ月分 | 2.5~4ヶ月分 |
夜勤手当 | 1回7,000~12,000円 | 1回5,000~8,000円 |
医療行為あるぶん、准看護師のほうが年収がやや高いです。特に病院勤務では准看護師の方が待遇が良く、夜勤手当も高めです。



僕は介護職員初任者研修(当時はヘルパー2級)の資格を持っていたときは年収280万円程度でした。
准看護師になって一年目では360万円程度でしたが、現在は460万円程度です。
3. 待遇の違い
項目 | 准看護師 | 介護福祉士 |
資格手当 | 5,000~20,000円 | 3,000~15,000円 |
夜勤の有無 | あり(選択可能) | あり(施設による) |
役職への昇進 | ほとんどなし | 介護リーダー、施設長 |
体力的負担 | 中(医療行為あり) | 高(移乗・排泄介助など) |
→ 准看護師は介護福祉士と比較すると待遇が良い職場が多く、介護福祉士は施設長を目指せるところもある。
4. 昇給の可能性
項目 | 准看護師 | 介護福祉士 |
昇給幅 | 年1,000~5,000円 | 年500~3,000円 |
キャリアアップ | 正看護師、専門看護師 | ケアマネ、社会福祉士、施設長 |
転職時の年収アップ | しやすい | しにくい |
准看護師は昇給幅が大きく、正看護師になるとさらに収入アップに繋がります。



とはいえ、昇給は他の職種と比べれば少なめですね…!
准看護師は正看護師になることが一番の年収アップです。また准看護師として2年間の実務経験があれば精神保健福祉士の受験資格を得ることができます。また機能訓練指導員といい、デイサービスや特別養護老人ホームで利用者の機能訓練に携わることができます。
介護福祉士は施設長を目指すことが一番の年収アップに繋がります。5年以上(900日以上)の実務経験があるとケアマネージャー試験を受験することができます。社会福祉士を目指す場合は実習が免除されることも。(条件あり。ここでは説明省きます)
5. 資格取得の難易度とコスト
項目 | 准看護師 | 介護福祉士 |
受験資格 | 准看護学校(2年)修了 | 実務経験3年 or 養成校卒業 |
学習期間 | 2年 | 3年以上(実務ルート) |
費用 | 100万~200万円 | 0~100万円 |
試験合格率 | 約90% | 約70% |
→ 准看護師は介護福祉士と比較して学費が高いのと学校に通う必要があります。でも准看護学校は定員割れしている学校も多く、今なら学校に合格しやすいし、准看護師試験も合格しやすいです。介護福祉士は3年の実務経験が必要です。
6. どちらを選ぶべきか?
✅ 准看護師を選ぶべき人
- 収入を優先したい
- 医療業務に興味がある
- 正看護師を目指したい
- 夜勤ありでもOK
✅ 介護福祉士を選ぶべき人
- 利用者との関わりを大切にしたい
- 体力的に自信がある
- 資格取得の費用を抑えたい
- 夜勤なしの働き方を希望
どちらにもメリット・デメリットがあると思いますが、僕のオススメ方法は以下のとおりです。
オススメの目指し方
もし准看護師を途中で諦めることになるかも…とか、学校中退したときのリスクも踏まえるなら、実務経験3年で介護福祉士の受験資格が得られるので、病院や施設で介護士として働きながら准看護師を目指すのがオススメ!
准看護師の資格に受かったら准看護師として働き、准看護師の道を諦めても、学校行きながら働いていた分の実務経験が受験資格の一部となるので一石二鳥だと思います。
※准看護師は医療行為があり責任感は絶対に必要ですし、介護福祉士に変更したとしても、介護のお仕事はとても大変です。それを理解したうえでのご検討をオススメします。
まとめ
- 収入・待遇面では准看護師が有利!
- 介護福祉士は資格取得がしやすく、利用者との関わりが深い仕事。
- キャリアアップを考えるなら、准看護師→正看護師ルートが収入アップしやすい!
- 介護士として働きながら准看護師を目指せば、介護福祉士も同時に視野に入ってくる
どちらを選ぶかは「医療メインか、介護メインか」「収入か、働きやすさか」で決めるのがポイントです。
どちらの道を選んでも、介護・医療業界で求められる重要な仕事なので自分に合った道を選びましょう!
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